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候補者と受賞者の差

新聞のコラムで、アイルランドのロックバンドU2のヴォーカリスト ボノが話題になっていた。

ロックはほとんど聴かない(別に嫌いという訳でもないのだが)私だが、仕事でアイルランドと関わりを持つようになった頃、「アイルランドって何があるんだ?」と調べていたところで出てきたのが、リバーダンス、エンヤ、そしてこのU2だった。

ボノは、アーティストとしてもさることながら、政治的な活動でも注目を浴びる人であり、各国首脳にアフリカへの援助を求めて廻ったことなどから、ノーベル平和賞の候補にも挙がったことがある。(私は知らなかったが。。)


しかし、有名人は必ず叩かれる、というわけでもないだろうが、そんな彼を「偽善者」呼ばわりするメディアもある。

それは こちら

これまでのアイルランドの税制では、作詞や作曲により得たいわゆる印税収入には、税金がかからなかった。貧しいアーティストを保護するためらしい。それが、来年から50万ユーロを超える印税収入は、課税対象となるそうだ。それを知ったボノは、自分の版権を管理する会社を、税金の安いオランダに移したそうである。

アイルランド政府に対しては、従来の2倍の金額をアフリカ援助に向けさせておいて、その政府に税金を払わないとは何事か、というのがそのメディアの論調である。


浮いた税金を、直接アフリカ支援に向けているのなら、辛うじて自らの行動に整合性は取れるのだろうか・・・。

いや、カネを出せばそれでいいってものではないだろう。「慈善事業よりも人の持つ可能性を引き出す支援を実現すれば貧しい人々も自立できる」という、今年ノーベル平和賞を受賞した、バングラデシュのグラミン(農村)銀行総裁 ムハマド・ユヌス氏の言葉をふと思い出した。
by h-katopon | 2006-12-05 01:15