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それぞれの物語

11日から始まっていた盆休みも今日で終わり。

実家、いずれ両親が入る墓のある京都を巡って、今日は光に戻ってゆっくりすごしている。

昨日、墓参りに京都・東福寺霊源院を訪れた時のこと。

私の両親の墓は、永代供養墓といわれるものだが、同じような石碑が、訪れるごとに増えている。

普通、石碑には、「○○家之墓」「○○家」などと刻まれているのだが、永代供養墓の石碑は、上に仏像が彫られ、その下に刻む文字は、石碑を立てる者の自由になっている。

我が家は「○○家」とオーソドックスなものを選択したが、「感謝」「ありがとう」「空」「千の風になって」など、他の石碑は多彩な言葉が刻まれている。

その中で、非常に気になった一つの石碑がある。

その石碑には、「生まれ変わっても あなたのそばで 花になろう」
ORANGE RANGEの「花」の歌詞である。(なぜかこの曲のこの部分だけは知っている)

最初に見かけた時は、失礼ながら「何考えてんだか。あとで後悔するのでは。」などと思ってしまったのだが、その脇を見てハッとした。恐らく夫婦と思われる2人の名が刻まれていたのだが、女性の名前は、まだ生きていることを示すよう、字が赤く塗られていたのだが、男性の名前にそれがなかった。

そうか・・・。

この二人がどういう方なのか、私は知らない。しかし、こうして建てられた石碑を見るだけで、そこまでに至る物語が想像できた。もしかしたら、この夫婦はまだ若い。そして、何か不慮の出来事で男性が命を落としてしまった。この「花」は、二人にとって、短いながら一緒に過ごした日々の、思い出の曲なのか、などと・・・。

こうして色々な物語の末に集まってきた魂が供養されている場所。そこに、手を合わせに来る機会がなかなか作れない我が家の魂をご一緒させていただいていることへの感謝。そんな思いも含めて、今回は手を合わせてきた。

写真は、霊源院を入ったすぐに置かれているお地蔵さんたちである。

境内に入るときには「よく来たね」と迎え、出る時には「またおいで」と優しく語りかけてくれているような気がした。


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