カテゴリ:音楽( 224 )

容姿の事ではなく、演奏する時の話である。
(もちろん、容姿も大事ではあるが、自分自身がダメダメなのでそこへの言及は避ける。)

歌う際の立ち姿が綺麗だったり、曲に合わせて表情を変えたり、身体の動きが出ると、その人からの声が際立って客席に届いているような気になる。特に知人がオンステしている演奏会ではそれを強く感じる。

譜持ちで舞台に上がる際にも、上記のことがうまくできていれば声が客席に届いてくる気がするし、逆に楽譜かじりつきで歌っている姿を見ると、「あぁ、この人の声は聞こえてこないな」と思ってしまう。

もう15年近く前のことだが、メンバーのほぼ全員が譜持ちでオンステした演奏会の後、聴きに来てくれた知人に「どうして私たちに向かって歌ってくれないの?」と責められたことがある。

実際のところは、きちんと声が飛んできてるのだと思うが、見た目でこういう判断されることもあるんだな。実際、自分もそういう感覚持ってるし。


私は暗譜至上主義ではない。むしろ譜持ちで舞台に立つことの方が多い。
但し、練習をしっかり積んでいる曲は、ほぼ譜面を落として歌える状態になっているのも事実である。逆に譜面が手元にないと歌えない曲は、自分が消化しきれずに歌っていることが多い。このことも、上記の判断を下すことと関係しているのかもしれない。


「この姿で歌ったら聴き手はどう思うか」普段の練習でもそんなことを意識しながら歌っていきたい。
そういえば、昔観たバーバーショップのビデオで、練習のことをRehearsalと呼んでいたっけ。そういう感覚でいなきゃだめなんだね。
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by h-katopon | 2013-03-24 10:26 | 音楽
2012-13シーズン9作目として上演されたのは、ヴェルディの「リゴレット」。

演目紹介は、こちらを参照いただきたい。

この作品、あらすじは知らなくても、何らかの断片に接している人は多いことと思う。

中でも有名と思われるのは、第3幕でマントヴァ公爵が歌うアリア「女心の歌」。テノールなら、是非とも歌いたいと憧れる1曲だろう。

私にとってはもう一つ。大学生となり、自分が合唱を始めて最初に聴きに行った演奏会(第39回東京六連)で早稲田が歌ったのがヴェルディのオペラ合唱曲集。その中に、この「リゴレット」から2曲が取り上げられていたのだ。どの場面で歌われていたものだったのかが、今回改めて分かった。

もともとの物語の設定は16世紀。しかし今回の演出では、何と1960年代のラスベガスという設定で描かれた。
公爵邸はカジノに変身。華やかな世界の裏で様々な思惑がうごめいている、という点では、「あぁなるほど、こんな描き方もあるか」と思いながら鑑賞した。

主役級となるのは、題名にもなっている、リゴレット(マントヴァ公爵に使える道化人)(バリトン)、その娘ジルダ(ソプラノ)、マントヴァ公爵(テノール)。それぞれ見事に歌い、演じていたと思うが、一番印象に残ったのは、この3人ではなく、リゴレットが、マントヴァ公爵への復讐のため暗殺を依頼したスパラフチーレを演じたステファン・コツァン(バス)。殺し屋に相応しい身のこなし、そして無駄のない細身の体から出される豊かな低音。彼の存在が際立っていたように思った。

一方で、ちょっと残念だな、と感じた点が3つある。

ひとつは、リゴレットの衣装。1960年代に道化役、というのが難しいとは思うが、スクリーンで観る限りは「ちょっと着合わせのセンスが悪いオジサン」の体に留まってしまったかな、という印象。

ふたつ目は、インタビューや幕前の解説で、今回の演出が斬新なこと、それに対してどう取り組んだかなどの話題が中心になったのは良いが、私のようにこの作品を初めて観る者にとっては「じゃ、普通はどうなの?」という点が分からない。そのあたりの比較紹介があっても良かったのかな、と思う。
(もっとも、今はネット上に多くの画像があるだろうから、それを見れば良いだけの話なのだろう。)

最後は、やはりインタビュー。歌手、演出家、美術担当の他に、今シーズンがMETデビューの指揮者ミケーレ・マリオッティを紹介してほしかった。もしかしたら、本人が断ったのかな?

いろいろ感じるところはあったが、こうして映画館で、安価に、着飾る必要もなくオペラを楽しむことができるのは非常にありがたい。MET、松竹、そのたスポンサーとなっている方々に感謝である。
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by h-katopon | 2013-03-17 16:45 | 音楽
つい最近参画し始めた団体の演奏会のご案内です。この演奏会が、私にとっての初舞台になります。広島周辺にお住まいの方、また広島に来れそうな方、ご来場お待ちしております。

入場料等詳細が未定のところもありますが、随時情報更新致します。今のうちからご予定いただけると嬉しいです。

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Hiroshima Bach Soloists 第28回定期演奏会 ~呉公演~
【日 時】 2013年5月18日(土)18:30-
【場 所】 カトリック呉教会
【曲 目】 カンタータ第198番「候妃よ、さらに一条の光を」BWV198 他
【出 演】 指 揮  寺沢 希
      合唱・管弦楽  Hiroshima Bach Soloists
【入場料】 未定

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Hiroshima Bach Soloists 第28回定期演奏会 ~広島公演~
【日 時】 2013年5月19日(日)16:00-
【場 所】 流川教会
【曲 目】 カンタータ第198番「候妃よ、さらに一条の光を」BWV198 他
【出 演】 指 揮  寺沢 希
      合唱・管弦楽  Hiroshima Bach Soloists
【入場料】 未定
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by h-katopon | 2013-03-13 21:39 | 音楽
2週間ぶりにMETのライブビューイングを観てきた。

今回の演目は、ドニゼッティの「マリア・ストゥアルダ」。(演目紹介はこちら

スコットランド女王のマリア、イングランド女王のエリザベッタの対立を基軸に描かれた作品。やはり劇中印象的だったのも、この2人である。

エリザベッタを演じたエルザ・ヴァン・デン・ヒーヴァーは、今作がMETデビュー。役になりきるため(エリザベッタ=エリザベス1世が病気ゆえに頭が半ば禿げあがり、カツラに頼っていた事実に基づき)、頭を剃ったことを幕間のインタビューで知った。思い入れ、そして意気込みを感じた。それは歌唱にも表れていた。

一方の、マリアを演じたジョイス・ディドナート。終始清廉潔白な印象を見せながら、エリザベッタと相対する場面、そして死罪を宣告された(書面を受け取った)場面での豹変ぶり。その両面を見事に演じていた印象。終幕のアリアは、どれも聴きごたえがあった。

細かいところを取り出せば「あれ、オケと歌のテンポがあってないんちゃう?」とか「微妙に音程が・・・」など気になったところも少々あったが、いつもながらに好演を堪能することができた。

今シーズン、これで5回目の鑑賞になる。その中で、当初予定の出演者が降板し、代役が立てられる、というケースにも何度か出会った。理由は体調だろうか?それとも契約上の問題?まさか、歌唱に対する運営側の評価ゆえ? そんなことも想像してしまうのであった。
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by h-katopon | 2013-02-11 13:19 | 音楽
先週に引き続き、広島の映画館でオペラ鑑賞。

今シーズン12作が予定されているライブビューイングも、折り返しの7作目になった。

今回の作品「トロイアの人々」も全く内容を知らなかった作品。予告編で大きな馬のオブジェが登場するのが「何故だ?」と思っていたが、今日鑑賞したことで分かった。そうか。トロイの木馬か。。。^^;

先週の「アイーダ」に続いての大作。合唱が何と110人。しかも、舞台の上で、裏で、その出番も多い。上演時間も、休憩を挟んで5時間強(!) 公演できる劇場も限られているらしく、METでも2003年以来2度目になるそうだ。

作品の紹介は、こちらのサイトに譲る。

事前に注目していたのは、カルタゴの女王ディドーを演じたスーザン・グラハム。以前に歌曲のCDを聴き、アリアを楽しみにしていた。期待通り、素晴らしい歌を聴かせてくれた。

そして、それを超えて「素晴らしい」と感じたのが、トロイアを追われたどり着いたカルタゴの地でディドーを愛しながら、最後は使命を果たすべくイタリアへと去っていくアエネアスを演じたブライアン・イーメル。当初は別の歌手が出る予定だったが、降板し(事情はわからないが)、急遽出演が決まったそうだ。今回の上映は今年の1月5日の公演。代役が決まったのは、昨年のクリスマスイブとのこと。別の場所で歌った経験があるとはいえ、短い間によくぞ準備ができたものだと感心してしまう。

端役を含め、どのアリアも素晴らしかったし、音楽自体が、「おっ!」と思わせる展開があり、5時間の長丁場を飽きずに観ることができた。(もちろん疲れたし、お尻も痛くなったが 苦笑)

次は、2週間後。演目はドニゼッティの「マリア・ストゥアルダ」。これも未知の作品だが、今から楽しみだ。
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by h-katopon | 2013-01-26 23:35 | 音楽
先週末の「レ・ミゼラブル」に引き続き、この週末も再び映画館に行ってきた。
先週は下松、今週は広島と全く行き先が違うのだが・・・。

お目当ては、METライブビューイングの「アイーダ」。
ここのところ、3週連続で演目を並べてくるライブビューイング。先週の現代版演出の「仮面舞踏会」を見損ねただけに(要は広島での上演開始に間に合うように起きられなかったのだが ^^; )、今回は見逃すまい、と思い、広島まで車を走らせた(駅伝の交通規制からは、往復共に免れた。よかった。。。)。

恥ずかしながら、筋を全く理解しておらず、前回「テンペスト」を観に行ったときに購入したプログラム(ライブビューイング12演目全てが紹介されている)でちょっとだけ予習していざシアターへ。凱旋の合唱ばかりが有名なこの作品。実は三角関係が中心、なおかつ結末は悲しく、静かに終わっていくものだったのだと、今回初めて知った。

最も印象に残ったのは、アイーダ役のリュドミラ・モナスティルスカ。今回がMETデビューという。2011年の英国ロイヤルオペラの「アイーダ」に、代役で出演したのがきっかけで世界の注目を浴びた人、と紹介されていた。今回のどのアリアも聴きごたえ十分。声に太さ(重さといった方がいいか?)があり、大合唱をバックにしても存在感のある声で歌いあげていた(もしかしたら、マイク調整などしてるのかもしれないが)。

ラダメスを演じるのはロベルト・アラーニャ、アムネリスを演じるオルガ・ボロディナ。METではおなじみとなっているこの2人よりも、(役柄もあるが)舞台上で存在が光っていた。

専らライブビューイングやテレビ中継でのフォローしかできないが、注目していきたい歌手がまた一人増えた。
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by h-katopon | 2013-01-20 23:00 | 音楽
12月から公開されている「レ・ミゼラブル」。

ミュージカルをそのまま活かす形で制作した、ということで、普段はあまり映画を観ない(METのオペラを観に行くのは別として)私だが、映画館に足を運んで鑑賞した。(鑑賞して一週間経ってから本稿を書いている。)

東京で1回、ロンドンで1回ミュージカルを観、その後の10周年記念コンサートを録画して何度も観て擦り込んでいた私としては、シーン作りは「見事」と思ったが、それ以外は今一つ、という感想である。

特に、それぞれの役どころの聴かせどころとも言えるソロ曲。心の中で「えーっ!」と叫んだ場所が何箇所もあった。まぁ、ミュージカルと違い、歌を本業としてはいない方々だったろうから致し方ないか。

やはり、舞台で観るミュージカルと映画は別物、きちんと線引きして「全く知らない新しい作品を観る」という意識で観なければならないな、と改めて実感した。
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by h-katopon | 2013-01-20 21:34 | 音楽
先月30日の「21世紀の第九」でのこと。

客席最前列に、うっとりとしながら曲を聴いている女性がいた。
その方は、華やかな色の和服を召していた。

この時間を楽しむために、昨日までは大変な苦労をされてたのかな、などと、想像(若干妄想もあったかもしれない)しながら自分の出番を待っていた。

そして、「この方をがっかりさせるような演奏をしてはならない。歌が入ったらもっと笑顔になってもらいたい」とも。

その結果が、個人レベルで惨憺たるものだったのは、前稿のとおりなのだが。

出演する側も、貴重な時間を割いて練習を積み重ねているが、客席に座る方々も、貴重な時間とお金を割いて聴きに来てくださっている。

その人たちを前にした演奏で「ブランクがあったから」「忙しくて練習できなかったから」などと、演奏する側の都合で勝手な言い訳をしてはならない。しかも、その言い訳は、(少なくとも自分の過去の状況を振り返るに)努力の時間、練習の時間があったにも関わらずできなかった(やろうとしなかった)ことがほとんどである。

もちろん、心身ともに常に万全とはいかないだろう。そんなときでも、最低限聴いていただいて恥ずかしくない演奏をする。こんなことを書いている時間があったら、実践実践。(汗)
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by h-katopon | 2013-01-06 21:49 | 音楽
ザ・シンフォニーホールでの「21世紀の第九」。
5年ぶりのオンステになったが、相変わらず温かいお客様に支えられて終演しました。

心からの歓喜をホールに響かせ、「やはり歌えてよかった」という満足感で東京行きの新幹線に乗り込む。
そんな予定でした。そして第四楽章の途中、歌が始まるまではそれに向かって時が進んでいました。

さぁ、歌い出しだ、と立ちあがった瞬間、状況が一気に変わりました。


・・・器官の変な所に唾が入りこんだ。(T_T)


それによって変な引っかかりが起こり、歌うどころではありませんでした。
何とか声を出せるところはきちんと処理し、「この部分はやばいな」と思ったところは、奥義とも言える「エア合唱」(いわゆる口パク)を持ち出し、演奏として表に傷を出さないようにだけ配慮しました。

この演奏会にたどり着くまでに、仕事がドタバタで、前日の練習も出勤のために出られず、「何とかこの舞台にたどり着けた喜びを思いっきり出して歌う」ことは、リハーサルだけで終わってしまいました。

そんな、悔しさの残る演奏会でしたが、それでも歌いに来れて良かった。

上手くいかなかったことの多い2012年を締めくくるには、ふさわしい歌い納めになってしまったのでした。
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by h-katopon | 2012-12-30 17:58 | 音楽
12月23日に出演した、山口市・サビエル記念聖堂でのコンサート。

コンサート、というよりは、音楽礼拝の色彩が強かったかな、と、歌い終わってみて改めて感じた。

「12月 山口市はクリスマス市になる」

山口市は、この1ヶ月、この一言をキャッチフレーズにしていた。

記録が残っている中では、日本でクリスマスが最初に祝われたのが、山口市だという話。

今回の演奏会でも、そのことがMCで紹介され、共演した「ステラ」の子供たちが祭壇にキャンドルを捧げた後に我々がグレゴリオ聖歌を歌い出す。

その後は、切れ目もなく、寺漢・ステラの歌、そして、オルガン演奏と続き、どこか緊張感を帯びた空気が保たれた中で1時間版画過ぎて行った。

ともすれば、お祭り騒ぎだけで終えてしまうクリスマスの本来の意味を思い出させてくれた、そんな機会にもなった。

ギリギリまで諦めていたがオンステにこぎつけられた幸運に感謝したい。

何より、滑り込みでのオンステを受け入れてくれた寺漢の仲間たち、そして、今回寺漢を呼んでいただいた主催者の皆様に心よりお礼申し上げたい。

そして、同じような機会にもう一度オンステできるチャンスを与えていただけるなら、もっと意味のある演奏ができるよう、また自己鍛錬を積み重ねていかねば。
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by h-katopon | 2012-12-24 23:03 | 音楽