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「夢をかなえるゾウ」(水野敬也著 飛鳥新社)

「お前なぁ、このままやと2000%成功でけへんで」

帯に書いてあったこの一言についつい反応して手に取った一冊である。

人間の身体とゾウの頭を持った「神様」ガネーシャが、平凡な若手サラリーマンのところへ突如姿を現す。

拗ねる・嘘つく・がめつい・甘い物好き・タバコがやめられない、といった、神様どころか人間でも「おいおい」といいたくなるキャラのガネーシャが、「成功したい」と切に願うサラリーマン君に、1日1つずつ教えを説いていく、というお話。

その教えは、すぐにでもできるごく当たり前のこと。しかも、ハウツー本の類(雑誌の特集も含む)を読んだ人なら「あ、これは聞いたことあるぞ!」というものばかり。なるほど参考文献にもその手の書物が並んでいる。「今更読むまでも」と頭の片隅で思いつつ、サラリーマン君が教えを1つずつ実践していきながら、少しずつ変わっていく様に惹かれ、「ガネーシャ、今度は何を言い出すんだろう」というひそかな期待と相まって一気に読みきってしまった。

久しぶりに「面白かった」という読後感を持った一冊である。

真面目に書物に向き合う、という姿勢ではなく、気が向いたらサッと読み流すくらいの感覚で対峙するのがちょうどよいだろう。