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引き時について考えさせられる(ヒリヤード・アンサンブル広島演奏会)

今年いっぱいで活動に終止符を打つ、ヒリヤードアンサンブル。
その最後の日本公演の一つが、広島で開かれたので聴きに行ってきた。

このアンサンブルの存在を知ったのは、大学生だった約20年前。
合唱団の同期から「ヒリヤードアンサンブルが歌うジョスカン・デ・プレはいいよ」と勧められたのが出会いのきっかけだった。

当時、「男声合唱は声を張り上げてなんぼ」という思いを強く持っていた私にとって、その真逆の世界を突き付けられたような思いで聴いたのを覚えている。とにかく澄んだ声、そして精緻なアンサンブル。その印象が強く残っている。

そんな記憶を持ちながら聴いた今回の演奏会。年を重ねて当時の印象とは違う音楽に触れることとなったが、味のある演奏を聴くことができた。

「今年が最後」と決めた背景に何があるのかはわからないが、もしかしたら、自分たちが奏でる音が変わってきたこともきっかけだったのだろうか。

全く違う次元ではあるのだが、自分自身が、いつまで歌い続けようか(そもそも、これから先、歌い続けることができるか、という問題もあるが)。それを考えさせられた演奏会にもなった。

今、手元にある、30年前に録音されたヒリヤード・アンサンブルのジョスカン・デ・プレを聴いている。
澄んだ和声。歌うことから退く前に、自分の歌でも体験してみたい。
by h-katopon | 2014-09-17 21:45 | 音楽