思いがけず発見した懐かしい顔

今朝の日経新聞、裏1面を見た瞬間、目を疑った。

バーバーショップ・ハーモニーのすばらしさを紹介する、菅野哲男氏の寄稿が、紙面を
飾っていた。しかも、菅野氏の写真と共に掲載されているのは、Four Rosesという
バーバーショップ・クワルテット。

かつて、セコインデで歌っていた私は、ちょっと複雑な心境で紙面を追うこととなる。

Four Rosesを立ち上げた人、そして、今、バーバーショップを広めることに精力を
向けている広瀬康夫氏は、セコインデの指揮者でもある。また、8年前、私が大阪に
移ってきたとき、真っ先に「セコインデにおいで」と声をかけてくれた人。私の合唱人生を
長く引き伸ばしてくれた人といっても過言ではない。

そして、Four Rosesのメンバーも、現在または過去においてセコインデで歌っていた
仲間。こうして全国区で紹介される姿を見ると、うれしいような羨ましいような・・・

バーバーショップに関する紹介は、その紙面に譲ることとするが、このスタイルのコーラス
が、私に「違う世界も見てみよう」と、今の活動拠点に関心を向かわせたきっかけになった。

バーバーショップが嫌いな訳ではない。1世紀近くの時を経て確立された一つの音楽の
スタイルであるし、ノリのいい曲が多いからなじみやすい。だが、音域や歌い方が私に
とってはネックになった。バーバーショップのパートは、テナー(オブリガードテナーとでもいう
べきか)、リードテナー、バリトン、バスに分かれる。私はバリトンを歌っていたが、所謂
普通の合唱におけるバリトンとは違い、基本的にはテナー的な声の出し方を求められる。

テナーからバリトンへと移行中だった私には、ちょっとしんどかった。
同時に、クラシックの合唱で、触れたことのない曲がまだまだいっぱいあり、そちらに
積極的に接していきたい、という思いが強くなり、昨年夏にセコインデを離れ、NCへと
移ったのであった。

この選択が正しかったかどうかは、きっと誰にもわからない。そもそも正しい選択なんて
ないのだろう。歌い手をやめるとき、「やっててよかった」と心の底から思えること、それが
「自分にとっての正しい選択」に他ならないのだから。

菅野さんとは、数年前のバッカスフェスタ(関西男声合唱祭)の後、酒を酌み交わしながら
お話させていただいたことがある。バーバーショップを語るとき、そして今はなき新宿の
ビアホール「ホフブロイハウス」の話をするときの満面の笑顔が印象的だった。歳をとった
ときに、あんないい笑顔ができる人間になりたいものである。
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by h-katopon | 2005-06-07 01:06 | 音楽