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人が街を変える

東京が、心を閉ざした無機的な街になってしまった、とは、だいぶ前から文章に書かれたり、歌として歌われたりしている。

だが、昔からそうだった訳ではなく、下町には、ともすれば内緒話などできないくらいに密接な人と人とのつながりがあった。いや、今でもある、というべきか。

無機的な街に変えてしまったのは、もともと東京にいた人、ではなく、他の街から東京へ移ってきた人たちなのかも知れない。

大阪でも、私が住んでいる辺りは、35年前の万博の後に住宅地としての開発が進んだところである。いわば「別のところから移り住んできた人で出来た街」。転勤してきた当初は、コテコテな部分がほとんどないおかげで、違和感なく大阪での生活に溶け込んでいくことができた。

逆にいうと、こうして昔の大阪の良さを、別の街から移ってきた我々が壊しているのだろうか。

ここ数日かけて読み終えた「あの大阪は死んだのか」という本を閉じたとき、ふとそんなことを思った。