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「池上彰の新聞活用術」(池上彰著)

初めて池上さんの姿を拝見したのは、20年近く前だったと思う。

平日夜に、NHKで関東地方のローカルニュースで「今度のアナウンサーは面白い事を言う」と母に教えられ、たまたま家に居たときに一緒に観たのだった。

ニュースのリードを読み、映像が紹介されたあと、次のニュースに行く直前に発せられる一言に、クスッと笑わずにはいられなかった。

その後しばらくして、全国版のニュースキャスター、「週刊子どもニュース」のお父さん役へと転身し、広く知れ渡る存在となった。

これまでも、池上さんの本は何冊か読んできたが、今回はタイトルに惹かれてこの一冊を手に取った。

池上彰の新聞活用術

第1章 ニュース力を磨こう
第2章 数字力を磨こう
第3章 伝える力を磨こう
第4章 書く力を磨こう
第5章 想像・推理力を磨こう
第6章 見せる力を磨こう
第7章 発想・コミュニケーション力を磨こう

という構成で、時には新聞の読み手の我々に目の付けどころを指南し、またある時には、新聞の作り手の姿勢に問題を提起する。

情報収集の手段としてのみ読んでいた新聞。しかし、特に自分の仕事に関連する記事で「なぜ公表前に、しかもこんなストーリー作りで記事を書くのか」と疑念を抱き、一応は目を通しつつも「ホンマか?」とやや斜に構えていたところもあった。

しかし、取材を通して、記者の方々が「どう読み取って欲しい、と思っているのか」という面を頭の片隅に置いて読めば、もうすこし紙面と正面から向き合えるのかな、ということを、この本で気づかせてもらった。

「もっと新聞を読みましょうよ」という思いが底辺に流れている、新聞リテラシーの本。
私にとっては、そんな1冊であった。