すべての五感は触角に通ず

今日の日本経済新聞のコラム「春秋」に、へぇ~と思う話が紹介されていた。

高村光太郎の書いた、「私にとって此(この)世界は触覚である」という一言だ。

続けて、「五官は殆(ほとん)ど全く触覚に統一せられている」とも。

嗅覚(きゅうかく)は突きつめれば鼻の粘膜の触覚、そして色彩も、光波の震動が
網膜を刺激することなのだから、という意味での触角、ということになるらしい。

そうなれば、聴覚も、音波の振動が鼓膜を刺激する、という点で触角と言えるかも
しれない。

そして、本当に感動する音楽を聴いた時、反応するのは耳だけではなく、前進
である、と、過去の経験を振り返るに感じている。やはり、中心は鼓膜だろうが、
音の振動をからだ全体で感じていたのだろう。

ステージで歌う、ということは、お客様の聴覚に訴えるのはもちろん、立ち姿や
歌うときの表情など、視覚にも訴える行為になる。ならば、聴きに下さった方に
心地よい「手触り感」のある演奏を届けることが、歌う側の責務になってくるで
あろう。

一朝一夕にはできない。まずは、鼓膜に心地よい振動を与える。そこから始める
ことにする。
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