あれから20年

その時、私は東京・千駄ヶ谷にいた。

大学入試を直前に控え、予備校の冬期講習を受講するためであった。

前の年の秋ごろから、何かにつけて「自粛」の二文字があちこちで踊っていた。

この冬休みも、どことなく重たい空気が流れているように感じたのは、ちょうど私が受験生だったからだけではなかっただろう。

朝9時に授業開始。この日は講習の最終日。近現代の日本史を講義するために教室に入って来た講師の第一声はこうだった。

「昭和が終わりましたね」

1989年1月7日。「昭和64年」がわずか1週間で終わってしまったことを、私はこの一言で初めて知った。

授業が終わった後、都内を少し歩いてみた。公の施設はほとんど閉鎖された上に半旗が掲げられていた。

花園ラグビー場で行われていた全国高校ラグビーも、この日予定されていた決勝戦が中止され、決勝に進出した2校が優勝、という異例の事態となった。

あれから、もう20年も経ったのか・・・。
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