月夜を歩く

伊藤整の詩の中に、そんなタイトルのものがある。

母校の遠い先輩にもあたる伊藤整。しかもこの詩は男声合唱曲にもなっており、数年前に小樽を訪れたとき、この詩で描かれた風景に会いに行ったものだ。


しかし、今回は小樽ではなく今の住まいでのこと。

ここのところ、雲に覆われてあまり天気が良くない日が続いたが、今日の光は雲ひとつない快晴となった。(夜には少しだけ雲がでてきたが)

そして、夜には、月が煌々と輝き、家までの5キロを歩く私を見守ってくれていた。

回りに灯りが少ないせいもあり、その月の光に照らされた夜空が幻想的に映り、思わず歩を止めてしばらく眺めていた。

ずいぶん前の映画だが、「おもひでぽろぽろ」の終盤、休暇を取って山形に行っていたタエコが、紅花摘みの手伝いに行っていたトシオの家で「トシオの嫁に」と言われ、突然飛び出して行ったときの夜空がこれに近かったかな、と思い出した。

いつもは、英語ニュースのPodcastを聴きながらの帰り道だが、今日は何も聴かず、自分自身のこれからのことをいろいろ考えながら、月夜の海岸を家に向けて歩いたのだった。

寄り道できる場所がない分、こうして雑音に邪魔されずに考え事をしながら帰れる、という点で、今住んでいる環境も悪くない。そう感じ始めた、光生活の2か月目であった。
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